炭酸泉の働き
炭酸泉は血流を良くし、体温を上げ、体の隅々に酸素を運ぶ効果を持っています。
またクレオパトラの炭酸泉にはスーパー健康ホルモン、アディポネクチンを多くする働きがあります。
血流を良くする
まず血流を良くすると言う事ですが、これは二つの作用があります。
一つは毛細血管の血流量を増やす戸言う事。
もう一つは動脈の平滑筋に働きかけて動脈を広げる働きです。
これによって血圧が下がると同時に動脈のストレッチになるので血管年齢が若返ります。
血管には動脈と静脈、そして毛細血管があります。
静脈はリンパ管と協力して血液を心臓に戻す働きをしているので、静脈とリンパ管は必ずセットで考えます。
血液は心臓を出て動脈を通り毛細血管に運ばれます。ここで細胞に栄養や酸素を渡し、
同時に老廃物や二酸化炭素を細胞から受け取り静脈とリンパ管を通り再び心臓に戻ります。
毛細血管は血管全体の90%を占める重要な血管です。毛細血管の大きさは赤血球がやっと通れるだけの大きさしかありません。(0.8ミクロン)
ギリギリの大きさにする事によって緊張すると血流が止まってドロドロになり、リラックスするとサラサラ流れ出すというように人間の体は自動的に調節する機能が備わっています。これを自律神経といいます。
自律神経には交感神経と副交感神経があり自分の意思とは関係なく調節しています。
毛細血管に血管を広げるとか縮めるための筋肉細胞はありません。赤血球と毛細血管内部の電荷を変えて調節しています。
磁石のプラス極とマイナス極はくっ付くけど、同じ極は反発する現象と同じです。
そのため、お客様に不快感を与えたり、緊張感を与えるようなお店では炭酸泉の素晴らしい効果を打ち消してしまいます。大変注意が必要なところです。
このように毛細血管に対しては血流を多くする働きがありますし、そしてさらに血流の悪いところでは毛細血管を新しく作ってしまうと言う働きもあります。
そして筋肉の中でも同じように血流を多くする働きがあると同時に筋肉の中の毛細血管を新しく作って本数そのものを増やすと言う働きがあります。
これによって体全体の血流が大変良くなります
動脈を広げる
次に動脈を広げる働きについてです。
細動脈には血管内皮細胞の上に平滑筋細胞があってその上に外膜があります。つまり血管の構造が3重になっていてその真ん中が筋肉だということです。
これによって緊張して細動脈がキュッと縮むと血圧が上がります。リラックスすると広がって血圧がさがります。
炭酸泉は細動脈などの血管の筋肉に働き、ゆるめる働きがあります。これを繰り返すことにより、体のストレッチのように、血管のストレッチができます。
これにより血管がしなやかになり血管年齢が若返ります。
ここで大切なことは一回だけの炭酸泉入浴ではなく、継続して炭酸泉に入浴することが血管を若く保つことに有効だということです。
またここでもお客様に緊張感を与たり、不愉快な思いをさせると炭酸泉の効果が打ち消されてしまうということを忘れてはいけません。
体温を上げる
次に体温を上げるということです。
次に血流が良くなると言う事はエネルギーの伝達が良くなると言うことに等しくなります。
どのようなことかというと、熱エネルギーの伝達方法は大きく3種類に分けられます。
伝導、対流熱伝達、放射です。
正しくはエネルギーと言いますが、わかりやすくするために熱エネルギーといいことも多いです。
エネルギーが伝わった結果温度が上がります。詳しくいうとエネルギーが伝わった結果、分子や原子が活性化し、その結果温度が上がります。
温度の高い低いはエネルギーが有る無しの目安になります。
お風呂で温まった体というのはお風呂でエネルギーをたっぷりもらった体ということになります。
お風呂からのエネルギーの伝達は主に対流熱伝達によって行われます。
体の表面から入るエネルギー=対流熱伝達係数×(お風呂の温度−体温)
対流熱伝達係数はお湯の流れが大きくなると大きくなります。つまりお湯の流れが速いほど体に当たるエネルギーが大きくなる、つまり温まるということです。
お風呂の目安は1時間に3回転です。つまり20分でお風呂がいっぱいになる湯量です。また、血流が速いということは体の中の対流熱伝達係数が大きくなるということです。
これによってお風呂の側でも、体の側でもエネルギーのやりとりが活発になります。
そのため温まりやすくなります。
対流熱伝達係数は物性の数値なのでお湯か温泉かは関係ありません。温まりやすさは家庭のお風呂でも3万円の温泉旅館でも同じだということです。
熱海温泉を家庭用の湯船にためて、体温の上昇の速さを測定したところ水道水と全く同じでした。ただし温泉成分は温まる感覚は強くなるので温まりやすく、冷めにくい感じがします。
炭酸泉は非常に体が温まりやすくなります。そして血流に乗って全身が温まるので体の芯まで温まり冷めにくい体になっていきます
炭酸泉のその他の働き
炭酸泉は体の各部に送られる血液の酸素の量も増やします。静脈血においても動脈血のような綺麗な血液となり酸素を体の末端で放出する能力を高めます。肺で取り込んだ酸素を体のすべての細胞に送り届ける力が高くなります。
このことによって各部隅々に十分な酸素と栄養分が届けられそしてそれぞれの細胞からは老廃物と炭酸ガスを回収してくると言う理想的な血液の状態になります。
炭酸泉は副交感神経を優位にする働きがありますので入浴しているだけでリラックスした状態になることができます。
もともと40度位のお風呂に入ると副交感神経が優位になると言われています当然これは個人差があることではあります。
炭酸泉に関してはさらに副交感神経優位にもっていく働きがあります。ただしお店で緊張感を感じたり、イライラしたりすると交感神経優位になってしまい、炭酸泉のせっかくの効果を打ち消してしまいますので、お客様にリラックスしていただくことが非常に大切です。
次に炭酸泉は皮膚にある感覚器の冷たさを感じる器官を麻痺させる働きがあります。
そのためお風呂の温度も本当の温度よりも2度ほど高く感じると言う現象があります。
また炭酸泉には痛みを感じる神経を麻痺させて痛みを和らげる働きもあります。これによって痛みが和らいだ時に適度な運動することにより筋力がつきその痛みが根本的に解決をすると言うことも期待できます
炭酸泉には免疫細胞の家NK細胞を活性化する働きがあることも報告されています。NK細胞というのはがん細胞やその他の異物も異物を食べてしまうと免疫細胞の一種で体の中を正常に保つ働きをしています
また炭酸泉に限った話では無いんですがヒートショックプロテインが出ることも報告されています。
炭酸泉ではヒートショックプロテイン70が出やすいと言うことも報告されています。
ヒートショックプロテインは体温が38度を超えてから0.5度刻みにいろいろなヒートショックプロテインが出てきます。
ヒートショックプロテインは体内のいろいろな酵素反応助けたりストレスに対する対応力を高める働きがあります細胞が危ないぞと言うときにはその働きを助けてくれるのがヒートショックプロテインです。
ヒートショックプロテインを出すには体温を通常より1度上げた状態を30分キープすることが大切なので、厳密に行うには和温療法を行っている医院で行いますが、スーパー銭湯では「なんちゃって和温療法」を行うことは可能です。
ヒートショックプロテインにより病気になりにくい、ストレスに強い体になります。そしてストレスにも対応いたしますので人間に対する免疫力これは主にヒートショックプロテインがになっているといえます
炭酸泉では体温が上がりやすくなるため糖尿病とか結石とか体温によって変化する可能性のある病気については著しく改善されることが期待されます。
体温が低いとミトコンドリア系がうまく働きません、そのため糖をを分解して乳酸ができてそれを処理できずにまた乳酸が肝臓に戻って糖新生という作用で糖を作ってしまいます。それでいつでも血管内に糖分が多い状態になってしまいます。
糖尿病は美味しいものを食べ過ぎてなるのではなく、ストレスと緊張感によってなることの方が多いと言われています。
大分県の長湯温泉の伊藤病院では炭酸泉を使って糖尿病などの治療を行っています。
低体温低酸素が原因でがんになると言う論文発表されています。
そのことから考えても血流を良くして体温が上がり、体の隅々まで新鮮な酸素が届けられるということが、いつまでも健康でいられる最低の条件と言うことができます。